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慢性腰痛の治療

【症例1】

60代女性。

20年来の腰痛。左足先も痺れている感じがする。

腰部の骨は変形し、曲がっている。

散歩もするのが嫌なくらい痛い。

接骨院に数年、鍼にも長く通ったが良くならずもう諦めていた。

初診時、腰を曲げたり反らしたり、どの方向へ動かしても強い痛みが出る。

足の痺れはL5-S1領域に8/10の痛覚低下が見られた。

腰椎の後湾変形も強く、姿勢はとても悪い。

初回は無理をせず、足の痺れの原因と思われる腰椎部を丁寧に見た所、S1領域の痛覚正常化。

足の指先が温かくなってきた感じを自覚。姿勢も良くなったような感じを受ける。腰を動かした時の痛みもかなり低下。

経過、症状とも良くない為、週2回の計画を組む。

治療ごとにゆっくりではあるがどんどん良くなり、一ヶ月で運動時痛消失。二ヶ月で起き上がる時の痛み消失、何をしても腰の痛みが殆ど気にならなくなった。

★現在でも骨の変形は変わらずで、姿勢も見た目では劇的な変化はない。

しかし、痛みはほぼ改善している。

加齢による骨の変形や不良姿勢が痛みの原因ではない事を示す一例である。

【症例2】

50代女性。

以前から左腰が痛かったが、急に体重が増えてとても腰が気になるようになった。

座っていると左の腰部に痛みが出る。運動をしようにも怖くてできない。

民間医療は初めて。内科通院中。

初診時、左仙腸関節に捻挫様の症状がみられた。

骨盤部、殿筋、腰周囲の筋に強い異常が認められ、それを丁寧に治療すると腰が軽くなったと自覚。

症状やや強いため、週2回で計画をすると、3回目の治療で痛み全て消失、関節も正常になる。

その後、別の筋による軽い腰痛が起きたが、すぐに良くなり、経過良好。

★座りすぎの方に起こりやすい、仙腸関節の異常であるが、急性期ではなく、骨盤ベルトも、座り方の指導も必要なく改善した一例である。

【症例3】

30代男性。

10年来の腰痛で、徐々に悪くなり、整体にいくも余計酷くなり来院。

座っていてもジワッと痛く、歩いても痛い。

腰由来と思われる頸や股関節の痛みもあり、非常に辛い状態であった。

初診時、痛みは強いが整形学検査上あまり、有意な所見が無い。

骨盤部、恥骨、尾骨に強い異常が見られ、それらを丁寧に治療すると、初回で症状ほぼ消失。

週に1回で計画し、かなり良くなる⇒少し悪くなる を繰り返しながら3回目の治療後、腰部の症状完全に消失。

その後、腰に伴って出たと思われる頸、股関節の症状を治療し、経過良好。

初診時は他の手技療法によって増悪した痛みで、非典型的な症状であったが、恐らく当初から上記部位に何らかの異常があったと考えられる。

★尾骨、恥骨は手技療法では手が出しにくい部位であり、アクティベーターの優位性が発揮できた一例である。

【症例4】

50代女性。

ぎっくり腰を数年に一回繰り返し、常に腰が痛むが我慢できないほどではない。

接骨院で腰椎捻挫と言われ、一年ほど頻繁に通うが効果が実感できない。

腰を曲げると一番痛む、家事(特に掃除機)、パート時が辛い。

初診時、腰方形筋の緊張が強くみられた。

仙骨と腰の周りの筋肉の異常が原因と疑われ、丁寧に治療すると、症状はほぼ消失。

2週に1回の治療で徐々に身体の神経バランスが正常に戻り、5回で腰痛は気にならなくなる。

現在は月1回のフォローで良好な状態が保てている。

★主に腰周囲の筋肉の異常によって起こった痛みであるが、筋のみを治療しても効果は継続しない。
きちんと神経系のバランスを取る事が重要であることを示す一例である。

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